生命保険や医療保険を検討していると、「八大疾病」という言葉を目にすることがあります。
言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような病気が含まれ、なぜ保険で重要視されるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、主に民間の保険で使われる「八大疾病」について、その内容や三大疾病との違い、各疾患の概要を分かりやすく解説します。
八大疾病について
八大疾病に含まれる具体的な病気
「八大疾病」とは、国の健康保険制度で定められた公式な分類ではなく、主に民間の生命保険や医療保険の商品で、手厚い保障の対象となる特定の病気をまとめた呼称です。
保険会社によって定義が異なる場合がありますが、一般的には以下の8つを指します。
悪性新生物(がん)
急性心筋梗塞
脳卒中
高血圧性疾患
糖尿病
慢性腎不全
肝硬変
慢性膵炎
これらは、治療が長期化したり、医療費が高額になったりする可能性があることから、保険商品において特別な保障(特約など)の対象となることが多い病気です。
保険で「八大疾病」が重視される理由
これらの病気が民間の保険で特別な扱いをされることが多いのは、いずれも私たちの健康や生活に大きな影響を与える可能性があるためです。
治療が長期にわたることで、医療費だけでなく、働けない期間の収入減少といった経済的な負担も大きくなることがあります。
そのため、民間の保険では、こうしたリスクに備えるための保障対象として「八大疾病」を定義し、一時金や保険料の払込免除といった特約を用意しているのです。
八大疾病と三大疾病の違い
保険の文脈でよく使われる「三大疾病」は、一般的に「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」の3つを指します。
八大疾病は、この三大疾病を含む、より広い範囲の病気を指しています。
三大疾病は特に死亡率が高く、重篤な後遺症が残るリスクのある病気に焦点が当てられていますが、八大疾病はそれに加え、生活習慣に起因し長く付き合っていく必要のある慢性的な病気が含まれています。

八大疾病 各疾患の概要
1. 悪性新生物(がん)
異常な細胞が無秩序に増殖する病気です。
初期は自覚症状がないことも多く、進行すると痛みや体重減少などが現れます。転移や再発のリスクもあります。
2. 急性心筋梗塞
心臓に血液を送る血管が詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。
突然の激しい胸の痛み、息苦しさなどが主な症状で、命に関わる危険な状態です。
3. 脳卒中
脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血など)する病気の総称です。
突然の麻痺や言語障害、意識障害などが起こり、後遺症が残ることも少なくありません。
4. 高血圧性疾患
血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。自覚症状はほとんどありませんが、放置すると動脈硬化を進行させ、心疾患や脳卒中の大きな原因となります。
5. 糖尿病
血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。進行すると多飲、多尿などの症状が現れます。
網膜症、腎症、神経障害といった三大合併症のリスクがあります。
6. 慢性腎不全
腎臓の機能が長期間にわたって低下し、体内の老廃物を十分に排出できなくなる状態です。
進行すると人工透析が必要になる場合があります。
7. 肝硬変
慢性的な肝臓の炎症により、肝臓が硬く変化し、機能が著しく低下する病気です。
肝がんへ移行するリスクも高まります。
8. 慢性膵炎
膵臓の慢性的な炎症により、膵臓の組織が壊れて機能が低下していく病気です。
腹痛や消化不良などがみられます。

まとめ
今回は、主に民間の保険商品で使われる「八大疾病」について、その内容、三大疾病との違い、各疾患の概要を解説しました。
八大疾病は、いずれも私たちの健康と生活に大きな影響を与える可能性のある病気です。
こうした言葉の意味を正しく理解しておくことは、ご自身の健康管理や、万が一の備えである保険を検討する上でとても重要です。



